東方Projectとインターネットのアーカイブの重要さについて

はてブのホットエントリにこんな記事があった。
本文では一切言及されていないが、タイトルに「幻想郷」とあるからこれを書いた人は東方界隈の人なのかな?と思った。
内容も東方にハマったことのある人なら一度は思い当たることだろう。

インターネット上の遺跡や幻想郷について

これについては以前から常々感じていたことだったので、少し詳しく書いてみたい。



主語の大きい文章をぶち上げると、東方にハマったことがある人なら誰もが一度はInternet Archiveを使ったことがあると思う

というのも、東方の原作を作っているサークル、「上海アリス幻樂団」の公式サイトは2005年に一度リニューアルされているからだ。その際に、古いページもいくつか削除されているため、旧サイトには現在のサイトにはないデータが山ほどある。
ZUN氏の描いたトップ絵やギャラリーイラスト、mp3、midiなどの音楽、日記などがそれに当たる。

現在の上海アリス幻樂団の公式サイト
リニューアル前の上海アリス幻樂団の公式サイトがこちら

(一部の画像や音楽ファイルは現在も残っているのでURLさえ知っていればInternet Archiveを使わなくても見ることはできるが、現在のサイトからこれらの作品へのリンクは残っていないので、普通はArchiveを使わなければ見ることはない)

東方にハマった人がInternet Archiveで旧サイトを片っ端から読み漁り、旧作のmidiを聴いたりTOP絵を保存したりするのは、多くの人が体験してきたことだと思う。

しかし、Internet Archiveには保存されていないものもある。
たとえば、掲示板。
このなかでは、神主がファンとのやりとりのなかで興味深い設定をいくつも明かしているのだが、その内容はInternet Archiveにも残っていない。
一部のやりとりは別のファンサイトに転載されているが、大半は完全に消失してしまっている。

また、2001年頃のギャラリーでのみ見られる古いイラストはサムネイル画像しかなく、フルサイズの画像はInternet Archiveには残っていない(一部は別サイトで見つかっているようだが詳しくは知らないので省略)。
これらの画像をローカルに保存している人は果たしてこの世にいるのだろうか。


私自身、Windows版初期の東方に関するあることについて、ずっと前から調べていることがある。
それはニコニコ大百科やpixiv大百科に書かれていながらソースがどこにあるのか一切わからないものだった。
公式のテキストや講演・インタビューの内容などを軽く一読した範囲ではそういった情報はどこにもないし、ネットでいくら検索しても明確なソースは出てこない。
個人的にはかなり疑っていた情報だ。
しかし、最近になって2002年当時にも同様の記述がある個人ブログを見つけることができた。
それはソースそのものではなかったが、少なくとも昔からそういう記述があったのだということは知ることができたし、おおよその目安をつけることができた。
少なくとも自分にとってはとてもありがたい情報だった。

このことは、まさになんでもないような個人サイトが私にとっては貴重な情報だったという事例だ。


ここまでは原作の話だが、それ以外にも失われてきた情報や作品は数多い。
東方がどのように有名になっていったか、二次の流行がどのように伝播して広まっていったかといった過程は調べようにも個人サイトか掲示板くらいにしか残っていないし、黎明期に精力的に活動していたニュースサイトや二次創作家のサイトが現在では閉鎖されていることも珍しくない。
そんなときに、Internet Archiveにお世話になることは実に多い。

だが、同時にInternet Archiveの限界もやがては感じるようになる。
本当にいくら探しても見つからなくて泣きたくなるような情報もたくさんあるのだ。


ごく最近でも、twitpicの閉鎖騒動などがあった。
あれは結局杞憂に終わったが、神主が過去に上げた画像が見られなくなる危機だった。
結局のところ、外部のサービスはいつまで続くかわからないのだ。
だからこそ、せめて現在流れている情報は可能な限り保存していくしかない。


上記のようなことは、東方に限らずどんな分野でも起こりうることだと思う。
リアルイベントのレポ記事、ネットの生放送、SNSや掲示板の書き込みなど、保存されることなく消えていく情報は数多い。

サービスの停止などで仕方なく消えてしまうこともあるが、なかには作者(サイトの管理者等)自身の手によって消されることもある。
せめて、後者に関してだけでも思いとどまってほしいと思う。


本人にとってはどうでもいいことしか書いていないつもりのブログやTwitterであっても、別の人にとっては探し求めていた情報があるかもしれない。
どうかそれを簡単に消したりしないでほしい。
残す必要のない情報など一つもないのだ。

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コメント

制作のしおりさんなども現状は続けられていますが一時は閉鎖されるところでしたね。

  • 2014/12/08(月) 20:24:28 |
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  • #-
  • [ 編集 ]

Re: タイトルなし

> 制作のしおりさんなども現状は続けられていますが一時は閉鎖されるところでしたね。

コメントありがとうございます。
歴史の長いサイトも消えるときは一瞬なのが恐ろしいことです。
FC2ブログだって何年先まで残っているか……。

  • 2014/12/09(火) 00:49:35 |
  • URL |
  • yunonote #-
  • [ 編集 ]

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