東方鈴奈庵 第25話「著者不明は容易く盗まれる(後編)」感想

2015/2/26発売 コンプエース2015年4月号 掲載

東方鈴奈庵 ~ Forbidden Scrollery. 第25話「著者不明は容易く盗まれる(後編)」感想
以下、ネタバレ注意


今月の鈴奈庵は今まででもトップクラスに面白かった!
そんなわけでちゃちゃっと本編に行きます。

前編のあらすじと感想はこちら
東方鈴奈庵 第24話「著者不明は容易く盗まれる(前編)」


あらすじ
小鈴が本に書かれていた占いを自分のものとして占い始めたことで、本の著者は恨みを抱き妖怪となって復活した。
著者はそうなることを狙って自ら命を絶っていたのだ。
だが、妖怪は霊夢に退治され易書は燃やされることとなった。


すっかり占い屋になってしまった鈴奈庵で小鈴ちゃんの占いを受ける魔理沙ちゃん。
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今日明日は運の巡りが最悪だと言われて不安になっているのが超かわいいな……!
茨歌仙の23話でも霊夢が占いを始めたときに占ってもらっていたけど、魔理沙は何気に占い好きだね。
しかもなんだかんだ言い訳しながらしっかり真に受けてる。
騙されやすいタイプだな。

こたつでの霊夢と魔理沙の会話は和んだw
魔理沙はその後もずっと霊夢に付いてくるあたり、霊夢と一緒にいれば運が良くなると考えているのか?

「幸運のメカニズム」は香霖堂の第27話のタイトルそのままだね。
たしか、魔法には運が最も重要という話もあったし(香霖堂第18話)、運気を上げる方法も研究しているのだろう。

霊夢の猛ダッシュ。
飛ぶよりも走る方が早いのだろうか……。
それにしても普通の走りとは思えない暗殺者かなにかのような動き。
霊夢が平気な顔しているのに、魔理沙は息を切らしながら必死で追っかけてるのもかわいいw

阿求によると、本を読むときは著者もまた読者を見ているらしい。
いわゆるエゴサ。
特に小鈴は本に書かれていたことを自分の編み出したものと誤解させたままにして(かつ、稚拙な落書は無視して)いたため、著者が恨みを持って生き返ったということらしい。

言ってることはわかるけど、そんなに簡単に死者の魂があの世から戻ってきていいのだろうか……。
というか、死んだ人間と生まれた妖怪は似ているけど別の存在、とかだったりして。
妖怪のアイデンティティって、人間の伝承や認識に左右されるから割とどうなってるか謎だったりする。


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妖怪となった易書の著者。
占術を通じて外の世界を見たという話がちょっと興味深いね。
魔法とかを使えば外の世界を見ることもできる?
3/26 追記
と思ったけど、ここは「外の世界」じゃなくて「世界の外側」と言っているから占いによって見られる運命とか運気のことを言ってるのかな)

易書の著者だった妖怪は見た目は極悪人だけど幻想郷のルールはわきまえているつもりのようで、里の人間に手を出すつもりはないらしい。
だが、博麗の巫女はそんなことでは納得せず、
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「残念ね 私は無用な殺生もする 無論妖怪巫女でもない」
「妖怪なら問答無用で退治する 人間巫女よ」
お祓い棒で頭をぶっ叩いて妖怪を消し去る。
おお、すごい踏み込んできたなぁ……!
まさかこんな展開が出てくるとは。
この妖怪からしてみれば「どうして自分だけ……」って理不尽に思うことだろう。
見た目が可愛くないのがいけなかった。

「幻想郷では里の人間が妖怪になる事が一番の大罪なのよ」という霊夢の価値観は気になるところではある。
考えてみれば、里の人間から妖怪になったというキャラはまだ東方にはいないのか。
まぁ、生まれがはっきりしている妖怪の方が珍しいが……。

う~む……元から妖怪だった存在は退治しないけど人間が妖怪になるのはアウトということ?
霊夢はパワーバランスを崩れることを警戒しているようだけど、それを言ったら神子や聖も危なかったような……。神霊廟のときなんか特に。
鈴奈庵なら死んでた。
里の人間から、という部分が重要なんだろうか。
魔理沙のように独立して里から離れて暮らすようになった場合は?

うーん、退治する・しないの基準の本質をあまり突いていないような気がする。
単に小鈴が危ない目に遭ったから、勘で悪い妖怪だと感じたから退治しただけでは。

(追記:2/27 12:00)
というより、この妖怪を放ったらかしてしまったら妖怪を生んだ小鈴が責任を追求されることは間違いないので、妖怪を完全消滅させたことは小鈴を守ることに繋がっていたように思える。
いずれにせよ、誰にでも平等、誰でも受け入れる霊夢のイメージからすると、良くも悪くも人間味が出てきたという印象。
(追記ここまで)

「妖怪化した、もしくは妖怪じみた人間のことを人妖と呼ぶ」
『人妖』って永夜抄のEDで出てきた単語だなぁ。宇宙人たちを指してそう言ってたね。
他にも過去に何度か出ていそうな気がするけど、もっぱら「人間とか妖怪全般」を指す意味として捉えてた。

東方に登場する人間は(阿求など一部を除けば)、霊夢も魔理沙も大体みんな妖怪じみた力を持っていると言ってもいいようなキャラばかりだけど、霊夢は自分を妖怪巫女ではなく人間巫女だと言う。
人間ね……。永夜抄EXのクリア後の会話でも妖怪は問答無用で退治する!みたいなことは言っていたが……。
霊夢にも人間としてのアイデンティティはあるんだろうか……。

* 巫女さんと言う肩書きに騙されがちだが、本当は人間。どんな肩書きでも役不足な人間など、なかなか居ない。 (ZUN)
第3回東方シリーズ人気投票 キャラ部門投票コメント 博麗 霊夢より


人間だしね。でも何をもって人間とするのかを考えないと、不老不死の時点で人間と呼ぶのに抵抗がある。人間である一番の憑拠は、人間であると言う想い。DNAはその次である。 (ZUN)
第3回東方シリーズ人気投票 キャラ部門投票コメント 藤原 妹紅より




関係ないけど、マフラー巻いた阿求の目つきが妙に可愛くて好き。

小鈴ちゃんは妖魔本でなければ大して執着しないようで、件の本はあっさりと燃やされる。
さりげなく黒歴史も一緒に焼却する。
ブロマイドって、写真機は天狗の? まぁ、人里にもあるのかもだけど。
てか、大量のナメクジや守谷の御守まであるとか一コマにネタを詰め過ぎw


それにしても、戦闘シーンにおける春河もえさんの作画の緊迫感、疾走感には圧倒された。
もとからハイクオリティだとは分かっていたけど、こういう戦闘シーンになると『本領発揮』というかより一層すごみが感じられる。
話もかなり面白くて、かなり興味深い話がいくつも出てきた。
鈴奈庵、ひいては東方全体のテーマを考えるうえで非常に重要な回だったと思う。

少し私的な語りになってしまうけど、三月精の最終回は私にとって非常に思い出深く、初めて読んだときは今までつかみ所のなかった霊夢について「こういうキャラだったのか」と少し分かったような気になれた。
また、「戦った相手と仲良くなる」「妖怪退治といいつつ全然退治してない」という霊夢のキャラはそのまま東方の世界観や魅力そのものにも近い部分があるとも感じ、大袈裟に言えば東方という作品の真理を一つ垣間見たような気持ちで心に残っている。

そんなわけで三月精の最終回は大好きなのだが、同時に鈴奈庵や茨歌仙については同じようなところに着地するのではなく、別の着地点を見せてほしいとも思ってる。
今後どうなるかは分からないが、鈴奈庵はこれまでの作品とはまた違う結末を見せてくれそうでますます楽しみになってきた次第である。


おまけ 「第63回 博麗神主のゲームが先かお酒が先か」
今回のお店は大塚にある日本酒の名店、「串駒」。
お酒が美味しくて、料理も凝っていて、店員さんもお酒に詳しいって完璧じゃないですか!
コラムの最初から最後まで、かつてないほど絶賛されてますね。
イラストは日本酒の「十四代」にちなんで輝針城オールキャラ。

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ネット世代の雑評論 東方鈴奈庵第25話を見て霊夢の立場を考える
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東方鈴奈庵25話の考察
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テーマ:東方 - ジャンル:サブカル

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